miepump coffeeの感動@倉吉

こんど倉吉に行く、友人に話すと、「いいところがありますよ」とロースタリーを教えてもらいました。海のそば、田んぼが広がる北栄町にぽつんと佇む、元保育所を改装した珈琲焙煎所。イラストレーターの西淑さんとパートナーの方が経営されているとのこと。

西淑さんのことは知りませんでしたが、googleで調べてみると夜が舞台のような絵本の挿絵を描いていました。ステキな人なんだろうなあ。

汽水空港さんと縁があり、湯梨浜町は何度も行きましたが、北栄町までは足が及んでいませんでした。mepump coffeeさんはinstgramでも情報が上がってきておらず(そもそも位置情報さえなかった)、信頼できる人のご縁のある場所。情報に溢れている社会においても人から教えてもらう情報が貴重です。こういうのが生物の情報なのか。

映画みたいな店

その日は山陰らしく曇天。どこまでもつづくような日本海の曇はどこか晴れやかでもありました。津山のまとわりつくような湿気はなく、不快ではない。しかし空は低く、なにか起こりそうな予感も感じさせます。

津山から鏡野を通り倉吉へ。車でおよそ2時間半。途中にある国指定の名勝である奥津渓も紅葉が見事です。ハイシーズンなので人が溢れていました。すこし寄り道をすると、「紅葉という植物はないんですよ。あれはカエデなんです。緑が赤く染まることを表す動詞を紅葉と呼ぶのです」。と観光客をつかまえて説いて周るおっちゃんがいた。このおっちゃんは鏡野の瀬戸川温泉で話したり中央病院でも会ったのだが一向に顔を覚えてくれない。なのでこちらも巡りあった観光客のごとく話を聞く。15分くらい話を聞いたが、頭に残っているのは上記の情報しかない。この人づての情報も貴重といえば貴重なのでしょうか。

寄り道を抜けて倉吉へ。東郷池の北西、大きな橋を抜けて、北栄町へ。なんだか老舗っぽいスパゲティ屋の看板と途中のコンビニを右折。友人に聞いたとおり店周辺は見渡す限りの田んぼです。間を縫うように風車が立っていました。すこしいけば荒立つ海がみえます。外国のような風景にもみえる。こんな町の、保育園を改装して焙煎所をつくるなんてまるで映画みたいだ。

駐車場はすこし離れた田んぼの用地にあります。寒風にまわる風車をながめつつ改めて店内へ。

目の前に広がっていたのは木造の元保育園。保育園というより、古い小学校を思い起こさせました。ジブリに出てくるような。ああ、やっぱり映画だ。物語に入り込んでいくようにお店にはいります。

やはり校舎のようなお店にはカウンター、数席の椅子、フジローヤルの焙煎機。正面の窓には一面の田と、少しだけふった雨の後に差し込んだ晴れ間が広がっていました。目に飛びこんだ午後の風景、露に濡れる草もまた映画のよう。

私の好きなカフェの特徴として、「物語感」をもっています。自分の頭上に筆があってだれかがステキな世界を描いている。尾道や鎌倉は街まるごとが物語感に溢れていてバビりますが。

奇跡的な場面に巡り合えました。カウンターの席にすわり注文をとります。

浅煎り好きの私にしてはめずらしく深煎りのブレンドを選びました。お供にチーズケーキ。同行者はカフェオレ。

ネルドリップで丁寧に濾される珈琲。ネルドリップは関西ではみましたが、津山に帰ってきてからは初めてかな。

口にしてみると、濃いのだけれど、すーっと透き通るようにからだに染み渡る。穏やかに波がつづく海のような味わいです。

こんなコーヒーがあったのか。

同行者のカフェオレを味見させてもらうとこれまた衝撃。牛乳が良質すぎる。醤油のようなコク。こんなに美味しいカフェオレは飲んだことがありませんでした。店内に冷蔵庫があり、提携している牧場の新鮮な牛乳を使っているようです。

これはうまい。

仕事に感動したのはひさしぶりです。店主さんの謙虚で寡黙そうな働きぶりがでている。

津山にも人を感動させる物語感のある店をつくろうと決心したのでした。

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