湘南移住記 第六十四話 「蕁麻疹」

突然、全身に蕁麻疹が出た。ふとんのダニが原因かと思ったが、ストレスや疲れでも症状が出るようだった。赤い発疹が体に現れたのは、夜勤の日雇いを終えた直後だった。

夜勤には強くない。中には夜勤を好む人もいるが、私はどうも弱ってしまう。体質の違いだろう。

神戸の広告代理店で働いていた時。面接では夜働く日がたまにある、と言われ入ってみたが、実際はほぼ毎日夜勤になっていた。体が耐えれず、半年しか持たなかった。

予想外に体の拒否反応がでた。弟が卵アレルギーで、アトピーの症状が出ているのを、ふーんと眺めていたが、いざ実際に自分がなってみるとかゆくて苦しいものだった。また新天地で、不安にもなった。

幸い、長期で入れるお仕事の話が進んでいる。すぐ動けるように今週は控えたら、とスワイプで女将に助言された。確かに、焦りすぎだ。

見知らぬ土地で、次々にWeb面談をして、不安に気を揉んでいたら、だれだってストレスは溜まるだろう。静かに苛々が蓄積していたのかもしれない。

現状を正面から受け止める、という姿勢も必要だ。体と心を壊しては意味がない。この身ひとつが資本だ。大切にしよう。

三浦通勤事情

だが、夜勤をして、わかったことがある。今回は一度、横浜に出て横須賀に向かうという仕事だったのだが、通勤が大変、ということ。

まず、バス。私が住んでいる三崎口駅は京急下り線の終着駅にあたる。そこからさらに京急バスで15分以上はかかる。15分以上と書いたのは国道26号線が、時間帯によってはかなり混雑するからだ。

実際、横浜の待ち合わせ場所に向かうまで2時間以上はかかった。三崎口駅から横浜駅は特急の始発駅でもあり、座って50分程度でいけるのだが、そこまで行くのも大変だ。

もうひとつは、朝の三崎口駅もまた混雑している、ということ。こちらも、バスだ。ロータリーに三崎口駅から各方面にバスが出ていて、朝から人がかなり並んでいる。驚くことに、横須賀方面から三浦まで働きに来ている人が多い。

神戸時代、王子公園から阪急で大阪の池田市まで通っていたことがあるので慣れてはいるものの、せっかくのんびりとした場所に来たので、せかせかはしたくない。できれば三浦で収めたい。今、進めているお仕事も職場は三浦市内。

文章の改善

本を3冊持ってきた。須賀敦子『地図のない道』、梶原基次郎『檸檬』、そして川端康成『掌の小説』。この3人は、文体が好きな作家だ。改めて読んでみると自分の文章の拙さが浮き彫りになる。いや、それがわかるくらい上達したのだろう。

須賀敦子は、文章を簡潔に書く、というルールからは完全に外れていて、つらつらとセンテンスを重ねていく。だが、穏やかなせせらぎのように詩情が流れ込んでくる。異国の地で女性1人で生活をしてきた人物ならではの謙虚さも心地よい。

川端康成の掌の小説は短編集で、一切のムダがない。端正な彫刻のようだ。文章効率が高すぎて、できすぎた短歌をも思わせる。一文と一文の飛躍が筋が通っていて、その距離からくる情報量がすさまじく多い。

私もわかりやすいように書いているつもりだが、まだまだ、と改めて気がついた。一度文章を書いて。必ず校正するのだが、かなり詰めれる箇所がたくさんある。最初は、自分のためだけに書いていたし、詰め込みすぎていた。とうも文章がもさもさしているので、シュッと書いてみよう。

これからの目標として、1.自分のスタイルをつくること。絵を描いていて、自分のスタイルが身につかなかったのでモノにならなかった。スタイルさえ身に付けば、仕事にもなりうる。やすきの文章を身につけるということ。ラップとい一緒で、書いていて自分が気持ちいいフロウ。さすれば、見ている人も気持ちよく読める。リズム。

2.ムダを削る。NSC講師の番組を最近みたが、漫才の台本も一文字まで削ってやっと聞いてもらえる、ところまでいける。

3.バースみたいに4-5行の塊で、美しく終わらせるようにする。

4.語彙を増やす。昔の人の文章を読んでいると、まだまだ使っていない日本語がたくさんある。美しい日本語を知る。英語も、面白いかもしれない。

そして最後は、楽しむということ。絵を描くのは辛かったので、楽しめばモノになるということ。

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