湘南移住記 第六十六話 「魔女の宅急便のように」

7月だというのに、初夏のような爽やかな風だった。寝室の窓を開けると、薄緑色のような涼しげな風が部屋に入り込む。2週間ぶりの晴れ間だった。三浦の風は、こんなにも気持ちよかったのか。

天気予報は土曜から晴れだったので、朝イチで風呂に入り、余り水で布団を洗った。もちろん洗濯機はない。服も風呂場に浸けて洗っている。

津山は盆地で湿気が多かったので、こんな爽やかな気分になったのはひさしぶりだ。気候がこんなにも人の気分に影響を及ぼすことを、神戸で知っていたはずなのに、すっかり忘れていた。

三崎港はすごい人が来る

今日は三崎口駅のマグロ屋さんでバイト。土日は確約されている。ホールだ。

客がまあ来るわくるわで慌てふためいた。トレーニングは受けていたが、実践が初めてなのでミスもいくつかしたし、うまくいかなかった。必死だった。

何回か怒られ、落ち込んでしまったが、賄いの時間に、「一人でよく頑張ってくれた」と言ってもらえ、嬉しかった。 

しかも、フルタイムで8時間も働かせてもらえた。この計算でいくと、27日の支払日までに、土日と、あと3日稼働すれば家賃と家賃保証の9万円が支払える。いま話を進めてる仕事が受かれば、確定。週明け以降に時間がかかってしまっても、日払い単発の仕事を3日入ればOK。安全圏に入った。

ここまでくれば、手元の現金をできるだけ貯めておきたい。27日は女将の誕生日なので、美味しいご飯に連れてってあげたいな。

昨日、葉山〜逗子に出かけて、女将と行ってみたい店を多く見つけた。真鍮の指輪を手作りで作れる店があって、婚約指輪を一緒につくったらどうかなあ、とメールで伝えたら、指のサイズ測っといてと言われた。

いろいろあるけど、私は元気です

12年前の水瓶座木製期が開けて、私の労働人生が始まった。辛いことばかりで、働くのが嫌だったが、いま、働くのも悪くないと思う。

一時期のように、働きすぎて眠れなくなったり、抗鬱剤を処方されるのは勘弁だが、適度に、自分のペースで働けたら。12年かけて、仕事が好きになれた。未来は偉大だ。

昨夜も、やはり12時ごろに蕁麻疹がでた。おとついよりは軽かったが。スカイプで女将から連絡がきて、心配してくれた。

だが、2週間もしたら行くよ、と出る前に言っていたのだが、一向に来る気配がない。疑念にかられて問い詰めてしまった。

だが、今朝、女将がくれた手紙を読み返して、涙が溢れそうになった。恥ずかしくて内容は伏せるが。

食糧や荷物を送ってくれたり、毎日連絡をくれる。心を大きく広げて、待つことにした。

それに、初心に立ち戻れた。私の目的はここでの生活を回すだけではなく、もう一度店を立ち上げて、商いで食べていくこと。より多くの良いご縁を持ち、より多くの良い経験し、目線を広げて成長すること。

そう。足元もしっかりして、上を見よう。人生をたのしもう。今日は、今のところ蕁麻疹は出ていない。

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