湘南移住記 第八十一話 「えらいこっちゃ」

夏の仕事が終わった。2ヶ月にも3ヶ月にも感じるような1ヶ月だった。そのことを同僚に話すと、つらかったんだね、と言われた。仕事の内容より、朝5時に起きて、昼に1度帰り、夜10時に帰宅するルーティンが体にこたえた。

だが、仕事に対する充実をひさしぶりに覚えたのも事実だった。いや、教えてもらったのかもしれない。津山で働いた時にはそれがなかった。働いている人が素晴らしいからだと思う。

津山は年齢を問わずそういう人が多かった。こちらには嫌々働いている人がいなかった。三浦の人は、ストレスが抱えながらも、仕事に感謝しているところがある。

大変さの割に効率よく稼げていなかったが、この人たちと一緒に働けてよかった。お金より、財産になった。

また想定外

仕事も一段落ついて、三浦での店の開店業務にとりかかる。岡山の衛生管理者協会に連絡して、衛生管理責任者の札の再発行の手続きをする。私の実家の会社でお世話になっている税理士さんに、経理の相談。

着々と準備ができ、三浦の衛生管理協会に営業許可を取りに行った。警察署の裏手にある、合同庁舎にチャリで向かう。

最初、税務署に行く必要があるのかと思っていたが、市役所の人に聞くとここに行け、とのことだった。すこし小雨がちらついていたが、チャリなら20分程度の場所なので、向かうことにした。

クリーム色とレンガの、古そうな建物だった。中は薄暗い。大きな女性の絵が飾ってある。衛生管理の窓口は三階にあった。最初は、男性職員が対応してくれた。

岡山の時と大体同じなのだが、三浦市の方が手厳しい。シンクが3槽いると言われた。厨房にあたる台所の床が木製なのだが、それも防水のために塗れと。津山の保健所はここまで厳しくなかった。

途中、ベテランの女性に変わって、さらに要件が厳しくなった。住居兼店舗なら、住居用の台所が必要ということになった。

いま借りてるこの家にもうひとつ台所を作れるスペースはない。納屋に作れないことはないが、どの程度の台所を作ればいいのか。

ていうか、ここまで厳しいなら、うーん、という気持ちになった。ここがだめなら他の物件を探すしかない。必ずしも三浦である必要はない。すごく気に入った街なのに。寂しい。

物件を探してみると、横須賀にいい一軒家があった。横須賀で営業許可が降りるか問い合わせた上で、考えてみよう。もしくは三浦でいい物件があるかどうか。

来週の水曜から木曜に女将がこちらに来ることになった。三浦に来てもらって相談。

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