湘南移住記 第八十五話 「女将、来る」

水曜日。津山から女将が来た。津山から新宿までの直通の深夜バス、ルミナス号が止まっているので、岡山からの便を利用した。3列シートで、トイレなし。2時間おきに停車するタイプ。朝6時30分、横浜駅に到着する予定。

迎えに行くため、三崎東岡の5時過ぎの京急バスに乗車。駅で降り、三崎口から、50分かけて横浜駅へ。着いたのは6:15。バスが停車するスカイビルの広場で待ち合わせ。先に着いたと思い、場所の写メを撮ろうとしていると、ケラケラ笑う人物がいた。女将だった。予定より早く着いたらしい。

毎日連絡は取り合っていたが、2ヶ月ぶりの再会だった。矢継ぎ早に話しかけてくるし、声のトーンも違うので、誰だろうこの人はと訝しんだ。こんな人だったっけ。一緒にいる内に、空気が馴染んできたが。

前もって、インスタに載っていた横浜のモーニングが良い店5選の投稿を送っておいたが、よくみたらどれも8時オープンだった。別の店をさがすことに。

調べると、横浜駅から1駅の反町という駅に、7:30からオープンする店があった。Nagi Coffee。散歩がてら、歩いていくことにした。

環状1号線を横切り、トンネルを抜ける。反町駅まで公園のような道があった。程よい横幅で、綺麗に緑が整備されている。女将がかわいいと言っていた。ポケモンで最後から3つ前の街に出てきそうと言う。

反町駅から西へ。1号線のある大通りから一本奥の筋を歩いていたが、道の入り口はなかった。コーヒー屋をお探しですか?と地元の人に尋ねられた。はい。入口は大通り側ですよ、と教えてくれた。その人がNagi Coffeeのご主人のようだった。

まだオープン前だったので、店の前のテーブルで待つ。女将の写真を撮った。女将は変わった人だなあということを思い出した。

このお店は自家焙煎の珈琲屋だった。厨房にパンチ穴の空いた手回し焙煎機が3つ見えた。店の前のテーブルや、シャンデリアの内装から、ご主人がヨーロッパ趣味であることが推察された。

このお店のモーニングには珈琲と、トースト、卵、スープがつく。珈琲豆は数種類から選べた。何を選んだかは忘れた。トーストも2種類のディップを選べることができる。私はあんこと和歌山産みかんのマーマレードにした。

珈琲はサイフォンだった。スープは牛蒡のポタージュ。夏で疲れた胃腸を整えるという気遣いからだった。美味しい。

帰りがけ、女将が焼いてきたエチオピアをご主人に渡した。ご主人は優しく話してくれ、横浜の情報を教えてくれた。近所の〈珈琲哲学〉というお店がいいらしい。お返しにと珈琲蜂蜜を頂いた。

9時前。横浜はまだ動いてないので、横須賀に向かうことにした。先に物件を見る。県立大学駅から富士見町へ。ボロボロの一軒家を見て、女将はいいんじゃないという反応だった。店はここにすることにした。

近くに〈山の上ベーカリー〉というお店があったので、行ってみる。かなり階段を登らなければいけなかったが、店内は混んでいた。すぐにら座れず、私たちと、女性が1人、待つことになった。待っている間、お店を観察していると、別の棟にパン窯があった。だが今はカフェ営業のみらしい。

ランチは3種類から選べる。2人とも、キーマカレーを選択。三浦野菜の盛り付けが美しい。

食べたあと、女性の店長らしき方にお話を伺った。このお店も、古い一軒家をリノベーションして作られたらしい。あの家でやるので、私たちと条件が一緒だ。その点においても勉強になった。

街まで出て、レンタカーを借りる。Twitterで生活用品を譲ってくださいとツイートしたところ、反応が2件あり、徒歩では持ち運べない荷物を車で回収しに行く。連絡も遅れて申し訳ありませんでした。ありがとうございます。

そのひとつは汐入の〈カギロイ〉さん。このブログも見てくださってるらしい。ご主人の松田さんはいい方で、最近はテイクアウトに力を入れているようだ。ブログも始めるらしいので、お店ともども是非。

いちど三浦に帰り、荷物を置いて横須賀へ。車中は女将いつこちらに越してくるのか問題で険悪な空気になったが、修復はした。

横須賀で街の中華を食べ、駅近くのジャズ喫茶〈ブルーノート〉へ。ウェインショーターのLPが飾ってあった。この場所になる前は別の場所でしていて、雰囲気が違っていたと聞いた。

三浦の家に帰り、早々に寝た。明日の夜に、女将は津山へ戻る。

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