湘南移住記 第八十八話 「藤やんの教え」

日にちは前後するが、進めていた契約がだめになった翌日。

焦っていた。いま住んでいる物件の解約を取り消そうとしたが、大家さんに電話がつながらない。乗りかかった舟だ。このまま別の物件をさがすことによう。ジモティーで見つけたDIY可の一軒家の内見に出かけることにした。その日の天気は雨の予報。バスと電車で出かけたが、晴れたいたので自転車でもよかった。

それは横須賀の物件だった。横須賀の軍港を見渡せる、山の上にあった。JRと京急どちらも使えるので便利だったが、行き来がかなり大変な場所だ。問題は、細道すぎて車がつけれない。つまり、DIY改修時に資材の登り降りが坂道で歩いて、ということになる。

以前この物件に問い合わせた人もいたが、その点が大変で諦めたと大家さんから聞いて、根性ねえ奴等だなとおもったが、実際いってみると物理的に無理なのではないかと思わせた。スカイプで女将にも見せたが、同じ感想だった。

内見し終え、JRで東逗子に向かった。以前、ネットで東逗子での起業相談に乗る場所があるのを思い出して行ってみた。アメリカに行っていた女性がコーヒーショップを開いているという記事を思い出した。いってみよう。

が、しまっていた。起業相談の建物も誰かがつかってて入れなかった。仕方がなく、駅前の肉屋さんでカニクリームコロッケ(110円)とポテトコロッケ(80円)を昼食にとった。東逗子の、老舗のお肉屋さんのようだった。東逗子商店街は海際のバレアリックな雰囲気はなく、山の中にある、どこにでもありそうな田舎の商店街だった。

そのまま、電車で鎌倉にむかった。気がついたら由比ヶ浜に辿り着いていた。ここは、はじめて鎌倉にきた朝に訪れた場所だった。北鎌倉のが〈Verve〉のスタッフさんに教えてもらった。長谷の〈ルオント〉に立ち寄ったが、休みだった。すこし、海岸で休む。優しい風が体を包み込む。カップルの横で、シャツの袖をめくりあげたサラリーマンが心地よさそうに寝ていた。やはり、鎌倉は特別な場所だった。

そのまま江ノ電に乗って江ノ島に向かうつもりが、気がついたら藤沢にいった。動画のプロジェクトに使いたいDJI Pochet2をみるためだ。藤沢の大型電気店にいったが、欲しかった限定の白いモデルがなかった。

そのまま、辻堂にいった。Googleマップをみると、27 Coffee Roastersがチェックしてある。住宅街の中にあった。エチオピアを飲んだ。個人で、北欧の会社から豆を取り寄せているらしい。津山にそういう仕事の仕方をしている人はいない。同じ地方で、この違いはなんだろう。

つけ麺を食べ、ブックオフで安いベルトを買った。ベルトがなくて、いつもズボンがずり落ちて困っていたからであった。

藤沢の駅は人でごった返していた。こちらに住まなくてよかったと思った。人混みが苦手だ。

久里浜までの帰り道、電車のスクリーンに水曜どうでしょうのディレクター、藤やんがインタビューを受けている映像が流れていた。「あなたのインプットを教えてください」という質問だった。

藤やんは何も考えない、と答えた。現代は情報量が多すぎて、みんなが考えすぎている。大切なときに脳をつかうために、普段はつかわない。普段から何も考えていなければ、人の話がスッと入ってきてアイデアも湧く。

たしかにそうだ。スマホをみて情報量も多いし、考える時間もない。自分に置き換えてみると、物件の情報をみまくったり不安に煽られて考えるが、なにも産み出していない。

流れもある。縁が大事だからだ。落ち着いて、脳を休ませながら、ことをすすめてみよう。芯を意識して。

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