Music Report: Gilles peterson

いま、聴いている音楽について。

このところ、アンビエントやニューエイジをよく聴いていた。リズムもなく、聴いてて疲れない。肉体的にも精神的にも疲れていたから、とっかかりのない音楽を無意識的に欲していたのかもしれない。

これらの音楽は、生活と共にある音楽で、集中して聴くというよりは、流しっぱなし。単なるBGMではなく、肉体を包みこんでくれる音。開祖であるエリック・サティは家具音楽、そこから発展させてブライアン・イーノは環境音楽と定義した。

環境。境目の環。すごい言葉だ。そこに流すだけで、空間と時間の質を変えてしまう。hatisでもその効果は実感していた。

hatisはいろんな年齢層の人がきていた。かける音楽には気を遣っていた。ヒップホップはNujabesにしても、ビートが強すぎないかなと心配になってかけづらかった。来ているお客さんの顔色を伺うように変えていたが、軸がブレるのがめんどくさくなって固定するようになった。で、行き着いたのがアンビエントだ。

hatisのテーマはChillだったし、アンビエントは人を選ばない。いい曲もたくさんある。厳密には、インディーや民族音楽もかけていたが、アンビエントが一つの柱だった。その内、自分の時間でも聴くようになった。

ただ、前にも書いたが、Sportfyで聴いていると曲も作り手の名前も覚えらない。情報量が多すぎて、次々にいい曲が流れてくるからだ。

川のように流れてくる音楽体験を自分の中に留めるために、こういう記事を書くことにした。音楽が水のようになっていて、毎日体内に入れているのだが、愛と感謝に欠けていた。こうやって言葉にすることが、経験を内に留めること、誰かに知ってもらうことに繋がるので、自分なりの音楽への愛情表現になる。

アンビエントの流れを変えようとして、ふとGilles petersonのプレイリストをかけてみた。彼は天秤座のフランス人DJだ。World Wideという、世界的に影響力のあるラジオや、レーベル経営をしている。鎌倉の名カフェ、ディモンシュの堀内隆志さんも、中学生のころに架空のラジオ番組をカセットに録音し、その後は本当にラジオDJになったという。天秤座の人はラジオDJに向いている。

かけていると、すぐいい2曲に出くわした。Jack Jacobs / I Believe It’s Alrightと、Jose Feliciano / Golden Ladyだ。

Jack Jacobsは、情報が少ない。そもそも、音楽を日本語サイトで検索しても、レコード店の商品ページにしか行きつかない。個人のページが減ってしまって、相対的に情報量が減ってしまっている。

加えて、レコード屋さんがレコードを売るための情報を掲載しているから、レコード屋さんが作るトレンドに誘導されている、ということになる。レコード屋さんはいい音楽を紹介したいだろうが、あまり振り回されてはいけない。コンピューマさんが在籍されている大阪のNewtone Recordsはチョイスもよくて、入荷されるレコードをSportfyで聴いている。

TwitterにはNew AgeやAmbientの優秀なプレイリスター達がいて、掘り下げた情報を共有している。音楽の情報収集は、まずプレイリスト。YouTubeの音楽リコメンド動画もいいし、Twitterもか。ただ、断片的になってしまうため、こうやって自分で文章に残して、経験を体系化していくことは有効だろう。情報の波に飲み込まれていたな。

この曲はFloating Pointがらみのリイシューもので、原盤は海外で20000円はくだらない。

こういう、限られた人しか聴けなかった曲を、津山の女子高生たちに聴かせるとどうなるのだろうという、謎の高揚感はあった。意識して音楽を聴いているわけではないだろうが、音楽はその人の無意識にすべりこむ。hatisの選曲では、そういう愉しみがあった。歌詞も素晴らしい。

Jose Felicianoはプエルトリコ出身のギタリスト。ドアーズのカバーがゴールドディスクになった。Golden Ladyは有名な曲がわからないが、とてもいい曲だ。

こういう時代を越えていいソウルにはたまにでくわす。20歳の頃、インストヒップホップでいい曲を求めていたら、Ninja tuneに行き着いて、BlockheadとHintのアルバムにたどり着いた。

そこから、音楽を聴かなくなったり、欲しくもない安いCDを買うようになって、主体的に探すことがなくなっていた。今は、自分で聴くためだけではなく、店で誰かと共有するためにも聴いている。だれかが、ふと、空白の時間を過ごしたい時。そんな時間に寄り添ってくれるような音楽家。長久の時というか、かなり長い時間感覚のもの。単純にグッドミュージックであれば、それはそれでいいのだが。

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