Music Resoat: Madlib

Madlibは2000年代のアンダーグラウンドヒップホップを代表する蠍座のビートメイカー。

Quasimoto名義でラップもする。自分の声が恥ずかしいという理由でピッチを上げて曲にしている。ライブ映像を見たことがあるが、動きが妙で、まさに奇人変人といった類の人だ。

だが、アイデアに溢れ、オリジナリティのある作品を多数作る寡作家だ。

私が19になる年、初めてMPC1000を購入した頃、彼の作品をよく聴いていた。2000年代半ば。ビルゲイツが新世紀のパンデミックについて警鐘を鳴らしていたまのの、まったくコロナ以前の世界。

もうだれもアンダーグラウンドと言わなくなったが、その時期のヒップホップは華美なメジャーとアンダーグラウンドは明確に分かれていた。

私はだれも聴いてない音楽を聴く、という妙に捻くれていた気質があったので、未知のアーティストを掘り続けていた。だが、無意識的にいい曲を探し続けていた。

ヒップホップでこれだ、とたどり着いたプロデューサーは3人いた。MF Doom、9th Wonder、そしてMadlib。この3人は、90年代におけるPete Rock、Large Professer、DJ Premierにとって代わる存在だった。抜きん出ていた。

Madlibはその中でも異色の存在だった。YNQなど名義ごとにコンセプトを変え、ヒップホップの枠を越えることもある。ハードディガーとしても知られ、〈Stones Throw〉のPeanuts Butter Wolfと共に数多くのレコードをディグしてきた。

JaylibやMadvillayなど、決定的なコラボレーション作品も重要ですが、心に残る作品を紹介します。

Sunjinho』/ Jackson Conti

ブラジリアン・フュージョンバンド、Azymuth のドラマーと作り上げたアルバム。Madlibがサンプリングで上ネタを構築し、ドラムを叩いてもらってるという作り。

ブラジルのいろんな地域の要素を広く理解している感じがする。ボサノヴァをよく聴くのだが、その範疇には収まらない。いま聴くとフュージョン色が強い。バージョンがいくつかあるが、花のようなコラージュのこのジャケが好き。

Shades Of Blue』/ Madlib

Blue Noteからオフィシャルでサンプリング許可が出たアルバム。すごいことだと思う。邦題は『ブルーノート帝国への侵略』だったが、私は解釈が違うと思う。Madlibはリスペクトに満ちていた。じゃないとこんな作品は作れない。これはよく聴いたな。当時がよく思い返される。父にも聴かせたが、なんじゃこりゃという反応だった。

The Funky Side Of Life』/ Sound Directions

これはハッキリ言ってめちゃくちゃかっこいい。YNQのレアグルーヴ解釈。ヒップホップの元ネタをヒップホップの人がカヴァーしている。今でこそジャズミュージシャンがヒップホップをカヴァーしていることが多いが。

Madlibは9th WonderやMF Doomと違っていたのは、ディグの深さだった思う。レコードを通して、幅広い音楽性を備えていた。MF Doomは誰もが知っているよつな大ネタを使うし、9th Wonder はソウル一辺倒だったりする。

そんなMadlibも、今やIPadのみでビートを作っていると言う。時代は変わった。

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