湘南移住記 第143話 「尿道結石」

朝5時。昨晩早めに就寝したせいか、早朝に目が醒める。夜はまだ空けきっていない。カーテンの代わりに設置したタオルケットの外側は、まだ薄暗い。

と、左脇腹に鈍痛が走る。最初はどうも痛いなという程度だったが、次第に痛みが重くのしかかる。しまいには堪えきれなくなって、トイレで嘔吐までした。

腸を内側からねじ切られるような、鈍い痛み。

救急車

これはちょっとまずいな、と判断して横須賀の緊急コールセンターに電話。すると、うわまち病院に連絡してくださいと言われる。救急車を手配しましょうか?と提案されたが、そこまでではないだろうと自分でうわまち病院に連絡を取った。

早朝なので検査はできないがよろしいですか、とのことだったが診てもらうことにした。タクシーを呼ぼうとしたが、痛みがさらに激しくなり、躊躇したが119に電話し救急車に来てもらった。ここまでの事態に発展するのは初めてだった。

大きい道まで歩いて出て、救急車に拾ってもらった。3人の消防隊員が名前など訊いてきた。私は頼むから早く病院に連れて行ってくれと心の中で念じていたが、彼らの処置は冷静。

スキャン

うわまち病院に連れていってもらい、点滴と座薬の痛み止めをしてもらう。高圧的な女性看護士に座薬を「自分で入れますか?私が入れましょうか?どっちでもいいんですけど」と言われたがさすがに恥ずかしいので自分で入れた。座薬にワセリンを塗ってくれていたのですんなりと入った。

CTスキャンをしてもらう。技師の女性が岡崎の楓ちゃんに似ていた。

診断の結果、尿道結石ということだった。5、6年前、大阪で発症したやつだ。腸を内部からねじ切られるような痛み。そういえばあの時のものに似ていた。大阪の時も、なぜか早朝に発症した。

スキャンが終わったあと、廊下で20分ほど待たされる。どうも座薬は強い薬のようで、寒気や胃の気持ち悪さが襲ってくる。痛みも完全に引いたわけではなかった。

うわまち病院は老朽化して移転予定のある古い病院だった。早朝の病院には、医師、看護師、スーツ姿の男性、警備員、用務員など、様々な人が出勤している。用務員のおっちゃんが台車でダンボールを捨てている。看護士が次々に職場に入っていく。全体からすると、医師は少ないということに気づいた。

看護士や医師が入れ替わり立ち替わりで様子を見に来てくれた。温かみのある接し方だった。私は、人に対して警戒し過ぎていたと感じた。

処置が終わり、精算。早朝の対処だったためか、12,000円ほどかかった。高いけど、あの痛みには代えられない。

胃がまだ気持ち悪かったので、帰りに生クリームパンとゼリー状のエネルギー食を買う。

上町から富士見町まで歩いて帰る。ああ、なんかいいとこに来たなという不思議な感情が湧いた。長らく住んだ神戸の王子公園を思い出した。

職場と派遣元に断り、今日は休ませてもらうことにした。

家に帰ると痛みがまたぶり返した。30分寝て、また痛みが出てくるの繰り返し。

風呂に入ると痛みが引いた。どうも腸を温めると治るようだ。寝床が寒かったので変えるとましになった。午後3時には痛みがほとんど消えた。

私は体がそこまで強い方ではないので、出て働くと体調が悪くなる。早く自分の商売だけで食べれるようにしないといけない。

夜は腹が減った。体がだるく、外食をしようと思ったが予想外の出費が出たので自分で作った。店用のスパイスカレーの試作とパスタと卵を和える。パスタを茹ですぎた。

ともかく、現代の日本に生まれてよかった。尿道結石のことがわからない時代は、どうしていたのだろう。

こういう時、独りだと不安にもなる。自分が招いた結果か。

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